オープニング
プログラム委員長: 畑埜晃平 (九大・理研AIP)[スライド]
企画セッション:離散構造処理(10:10 – 12:10)
離散構造処理系:その概要と最近の研究状況について [スライド]
講演者: 湊真一(京大)
論理関数や組合せ集合などの離散構造を表す大規模データを計算機上に表現し演算処理を効率よく行う技法は,情報科学の様々な応用分野に共通する基盤技術として非常に重要であり,現代社会に対する大きな波及効果を持つ.BDD(Binary Decision Diagram; 二分決定グラフ)およびその派生形であるZDD(Zero-suppressed BDD; ゼロサプレス型BDD)を用いたデータ構造とアルゴリズムの技法は,元々はLSI設計支援・自動化の分野で考案されたものであるが,その後,汎用的な離散構造処理の技術として応用分野の広がりを見せ,四半世紀以上が経過した現在でも,新たな研究の進展が続いている.本講演では,離散構造処理系の概要について説明し,機械学習や人工知能応用との関連も含めた最近の研究状況について述べる.
グラフ集合を圧縮して活用するためのデータ構造とアルゴリズム [スライド]
講演者: 川原純(NAIST)
地図上の2地点間の最短・最長経路を求める問題や、ネットワークの全ノードを最小距離で連結にする接続方法を求める問題などは、与えられたグラフの部分グラフ(パスや全域木など)を求める問題として定式化できる。それらの問題に対して、最適な部分グラフを1つ求めるだけではなく、すべて列挙し、ゼロサプレス型二分決定グラフ(ZDD)と呼ばれるデータ構造を用いて圧縮して保持する手法が提案されている。すべての解候補を列挙することで、条件を付けた解の絞り込みやランダムサンプリングなど、解の活用が可能となる。本発表ではZDDの構築を行う基本アルゴリズムを解説し、一票の格差の小さな選挙区割の列挙などのグラフ最適化問題への応用を紹介する。
離散構造処理系の機械学習への応用 [スライド]
講演者: 石畠正和(NTT)
離散構造処理系の機械学習への応用 本講演では、先に紹介された離散構造処理技術が人工知能・機械学習の問題にどの様に適用されているかを紹介する。 具体的には以下の4つの問題対して離散構造処理技術を適用した研究を紹介する。 (1)文書要約 (2)影響最大化 (3)オンライン組合せ最適化 (4)ネットワークデザイン
招待講演2:金出武雄(CMU)(13:40 – 14:40)
実世界AI研究のすすめ [スライド]
すべての研究分野に言えることであるが、研究は「実世界の問題に適用されて、有用な結果を生むという明確な目標」をもって行われなければならない。人工知能研究の私なりの歴史観と私自身のロボット工学者としての経験を交えながら、AI研究に求められる方向とチャレンジについて議論したいと思う。