情報論的学習理論ワークショップ (IBIS)

情報論的学習理論ワークショップは,情報理論,統計学,統計物理学,計算機科学など,広く機械学習に関係する分野の学際理論フォーラムとして年に一度,電子情報通信学会 情報論的学習理論と機械学習 (IBISML) 研究会 が開催しています.

情報論的学習理論ワークショップについて

情報論的学習理論ワークショップ (Information-Based Induction Sciences; IBIS) は1998年に第1回が開催され,最初の3回は情報理論とその応用学会を中心に開催されました.2001年の第4回からは電子情報通信学会 情報論的学習理論 時限専門委員会が,2010年の第13回以降は電子情報通信学会 情報論的学習理論と機械学習 研究専門委員会が主催しています.

この情報論的学習理論は,人工知能研究から生じた機械学習分野を核にして,確率論・統計学・計算論的学習理論・情報理論・アルゴリズム論・統計物理などの関連分野が交流する学問分野です.機械学習は,人間が日々の実体験からえられる情報の中から,後に再利用できそうな知識を獲得していく過程を,コンピュータにも行わせたいという動機から生じました.そして,数値・文字・画像・音声など多種多様なデータの中から,規則性・パターン・知識を発見し,現状を把握したり,将来の予測を行ったりするのに役立てるのが機械学習です.

ここで扱うデータは,いろいろな不確定要素の影響を受けています.こうして生じた曖昧さを扱うために確率論は重要です.規則性の発見には,偶然に起きたことを扱う統計学や,組合せ的な概念を対象にその計算可能性と計算量を論じる計算論的学習理論が関連しています.情報理論はデータが含む本質的な情報を見極めますが,これは規則性の発見と密接に関連しています.規則性を見いだすには,データに対する計算が必要になりますが,これにはアルゴリズム論や統計物理の手法が力を発揮します.このように,これらの分野は相互に関連していて,こうした分野の交流が必要不可欠となったため本ワークショップは企画されました.

ワークショップ開催履歴