機械学習は,大規模言語モデルや分子構造予測などのAI応用技術を支える基盤技術です.2024年のノーベル物理学・化学賞が機械学習関連であったことなど,その重要性は日々高まっています.
しかしながら,実世界で機械学習技術を適切に利用することは容易ではありません.機械学習は,情報科学と統計学をはじめとして複数の分野にわたる知識が要求されます.また,目的に応じて適切な手法を設計するには,さまざまな手法の原理と性質をふまえ,それらを適切に組み合わせる技術を備えていなけばなりません.
このような知識と技術を習得するために,各大学では博士課程を設けています.中でも『社会人博士課程』制度は,すでに職務に就かれている方々に向けたものです.他分野を学んだが機械学習を導入してより一層の発展を目指したいとか,情報科学や統計学を学んだが修士課程より広範で深い知識を身につけたいといった要望に応える制度です.
この社会人博士課程制度を活用していただくために,電子情報通信学会 情報論的学習理論と機械学習研究会(IBISML研究会)と理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIPセンター)は,社会人博士合同説明会を設けました.本説明会は,それぞれが異なる専門と利点を備えた国内研究室から,社会人博士課程にご関心のある方々が,ご自身の目標や方針に合致した研究室を探すお手伝いをするものです.
開催案内
機械学習博士課程合同説明会は,本年度2回の開催を予定していますが,第1回は第27回情報論的学習理論ワークショップ (IBIS2024) に併催いたします.内容は次の通りです.
- IBIS2024 2日目 11月5日の昼食休憩(12:10〜12:40)時に,本説明会の概要紹介を実施します.
- 各研究室の教員との個別面談の機会を期間中に設けます.
IBIS2024中の個別面談の申し込み手順
- IBIS2024参加者に提供する Slack を通じてお申し込みいただきます.「博士課程合同説明会」チャンネルに本説明会に参加されている教員のアカウント一覧がありますので,そのアカウントにダイレクトメッセージをお送りください.
- お申し込みにあたっては,以下の情報をダイレクトメッセージにてお送りください.
- 現在の職務,主な業績,研究経験などをまとめた自己紹介文,もしくはこれらの情報を掲載したURL
- 博士課程で研究したい内容を500〜1000字程度にまとめたもの
- IBIS2024期間中で面談可能な時間帯
- お申し込み後,各教員より Slack を通じて返事を差し上げます.
補足・注意事項
- 第2回目は,2025年2月21日(金)に,東京の理研AIP日本橋オフィスにて開催を予定しています.応募概要は12月の初旬に公開予定です.
- 機械学習に関する動向調査といった,博士課程以外の目的で面談を申し込まれることはお控えください.
参加教員
- 今泉 允聡(東京大学 駒場キャンパス/本郷キャンパス)
- 専門分野:高次元統計,深層学習の理論,テンソル解析,関数データ解析,最適輸送の統計解析,統計的因果推論
- 河原 吉伸(大阪大学 吹田キャンパス)
- 専門分野:動的システム学習,時系列データ予測,シミュレーションと機械学習,異常/変化点検知,データ駆動によるダイナミクス解析
- 杉山 将(東京大学 柏キャンパス/本郷キャンパス)
- 専門分野:機械学習の理論とアルゴリズム,弱教師付き学習,雑音ロバスト学習,転移学習,密度比推定,逐次的意思決定
- 杉山 麿人(総研大 国立情報学研究所 学術総合センター)
- 専門分野:情報幾何学,テンソル分解,グラフマイニング,教師なし学習,ニューロシンボリックAI
- 鈴木 大慈(東京大学 本郷キャンパス)
- 専門分野:深層学習理論,確率的最適化,統計的学習理論,高次元・無限次元モデルの理論,基盤モデル
- 竹内 一郎(名古屋大学 東山キャンパス)
- 専門分野:機械学習の信頼性・説明性,ベイズ最適化,構造データ分析,機械学習と最適化の融合,科学技術分野へのAI活用, 生物情報学,医療情報学,材料情報学
- 馬場 雪乃(東京大学 駒場キャンパス)
- 専門分野:Human-in-the-loop 機械学習,ヒューマンコンピュテーション,人間とAIの協働
- 福水 健次(統計数理研究所/総研大 立川)
- 専門分野:統計的機械学習,幾何学的機械学習,深層生成モデル,表現学習,カーネル法,位相的データ解析
- 本多 淳也(京都大学 吉田キャンパス)
- 専門分野:逐次的意思決定,バンディット問題,ベイズ最適化,強化学習,情報理論
- 松原 崇(北海道大学 札幌キャンパス)
- 専門分野:AI for Science, 計算機シミュレーションのための深層学習(SciML),幾何学的深層学習,表現学習,画像生成