研究会賞


IBISML研究会では、一年間の研究会発表論文の中から優れたものを数件選び,IBISML研究会賞 (IEICE TC-IBISML Research Award) およびIBISML研究会賞ファイナリスト (IEICE TC-IBISML Research Award Finalist) を授与しています。

受賞候補者に特別な条件は課さず(年齢制限や、会員・非会員の区別)、IBISML研究会に投稿され、信学技報として出版されたものが審査の対象となります。

本研究会賞の受賞者は「情報論的学習理論と機械学習 (IBISML) 研究会賞選奨規程」に従い選出されます。

2014年度

マーク付き点過程の距離計算手法と判別への応用

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  • 高野健(早大)
  • 小林芽依(早大)
  • 日野英逸(筑波大)
  • 村田昇(早大)

機械学習分野ではまだ十分に認知されていないマーク付き点過程モデルに対して,新たなアイディアを加えることでその応用可能性ををさらに広げた研究であり,IBISML研究会のスコープが含むモデルから応用までの広い視点と合致しており研究会賞にふさわしい.マーク付き点過程モデル空間への距離導入方法のサーベイとしても有用である.

公正配慮型分類器の公正性に関する分析

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  • 神嶌敏弘(産総研)
  • 赤穂昭太郎(産総研)
  • 麻生英樹(産総研)
  • 佐久間淳(筑波大)

機械学習は,その社会的役割がますます大きくなってきており,近い将来さまざまな倫理的・社会的問題と無縁でなくなってくるだろう.本研究は,その流れを見越した先駆的な試みであり,倫理的問題と密接に関わる公正性という概念に対する取り組みである.この課題に対し,著者らは,既存手法の理論的解析を行うと同時に,その知見に基づき実公正分解という汎用性の高い手法を開発しており,研究会賞にふさわしい.

研究会賞ファイナリスト

2013年度

ヒンジ損失最小化におけるセーフサンプルスクリーニングルール

  • 小川晃平(名工大)
  • 川本大和(名工大)
  • 鈴木良規(名工大)
  • 竹内一郎(名工大)

サポートベクトルマシンの学習において,取り除いても学習結果が変わらないデータを事前に取り除く新しいタイプのアルゴリズムを理論的に導き,その有効性を実験的にも示している .

カーネル平均埋め込みによる分布統計量の計算 ~ 密度関数,信頼区間,モーメント推定への応用 ~

  • 金川元信(総研大)
  • 福水健次(統数研)

確率分布のヒルベルト空間への埋め込みの理論を発展させるものであり,理論的に豊かな結果が得られている.あたらしいカーネル法の方向性を推し進めるという点でも意義深い内容である.

研究会賞ファイナリスト

2012年度

双対平均化法および近接勾配法によるオンラインAlternating Direction Multiplier Method

鈴木 大慈

  • 鈴木大慈(東京大学)

授賞理由:group lassoなどを含む構造のある正則化問題でのオンラインアルゴリズムという守備範囲の広い問題に解を与えた .またソリッドな結果に加えて,当日の発表における理論的背景説明が分かり易かった.

情報理論によるシングルフレーム超解像の限界性能評価

川喜田 雅則

  • 川喜田雅則(九州大学)
  • 山口耕太郎(九州大学)
  • 高橋規一(九州大学)
  • 竹内純一(九州大学)

授賞理由:超解像問題と通信路符号化問題の問題領域を接続したのは面白い.今後の解析にとって大きなアイディアとなるかもしれない.

2011年度

論理制約付きトピックモデルのためのディリクレ森事前分布構成法

小林 隼人

  • 小林隼人(東芝)
  • 若木裕美(東芝)
  • 山崎智弘(東芝)
  • 鈴木 優(東芝)

授賞理由:機械学習アルゴリズムの予測精度を高めるためには,学習タスクに関する事前知識をモデルにうまく反映させることが重要である.本論文では,ディリクレ森事前分布を用いた単語間制約付き潜在ディリクレ配分法(LDA-DF)の枠組みにおいて,論理式で表される複雑な単語間制約を事前分布に組み込むための手法を提案している.こうした単語間制約の導入によりトピッククラスタリングの精度が向上するとともに,モデルを系統的に簡略化することも可能となり,提案法は実用的に優れた性質を有している.また,論理的知識と統計的学習の融合の事例としても大変興味深い研究である.

研究会賞ファイナリスト

2010年度

オンライン予測におけるプライバシ保護

佐久間 淳(左)・荒井 ひろみ(右)

  • 佐久間 淳(筑波大学/科学技術振興機構)
  • 荒井 ひろみ(筑波大学)

授賞理由:プライバシ保護は,機械学習やデータマイニング分野における重要な研究課題の一つである.本論文では,複数のエキスパートから得られる忠告(予測)をもとに学習者が次の時刻の系列を予測するオンライン予測のモデルについて,エキスパートの忠告を他のエキスパートや学習者に開示できないプライバシ保護環境に対応したアルゴリズムを提案している.そして,提案アルゴリズムは,プライバシ保護環境においても,情報が開示できる通常の場合の最適アルゴリズムとregret最小化の意味で同等の予測精度が達成できることを理論的に示している.これは,本論文で取り上げたモデルにおいてはプライバシの保護はオンライン予測の妨げにはならないということを示した革新的な成果である.

局所型パターン認識器の高次元特徴選択パス追跡に関する一考察

竹内 一郎

  • 竹内 一郎(名古屋工業大学)

授賞理由:近年,最近傍識別器などの局所的なパターン認識器が様々な実問題において優れた性能を示し,注目を集めている.このような局所的パターン認識器の性能を更に向上させるためには,距離構造の学習および特徴の選択が重要である.本論文では,最近傍識別器に対する新たな特徴重み学習アルゴリズムを提案している.このアルゴリズムは,最近傍識別器の標的近傍と特徴重みを矛盾なく更新できるという優れた理論的特徴を有するとともに,正則化パス追跡の技術を応用することにより計算効率の良い実用的なものになっている.

研究会賞ファイナリスト