ディスカッション・トラック2日目

ポスタープレビュー(D2-1~D2-30)

ポスタープレビュー(D2-31~)

概要集

D2-1: 最小全域木の辺長の総和を用いた二変数間に存在する関係性評価手法

発表者:奥谷文徳(東京大学大学院情報理工学系研究科),川原圭博(東京大学大学院情報理工学系研究科),浅見徹(東京大学大学院情報理工学系研究科)

概要:データマイニングでは、因果関係・相関関係を見つけるためにPearsonの積率相関係数が広く使われてきた。しかし、この相関係数は直線的な関係のみを検出可能であり、検出することが不可能である放物線のような非線形な関係が存在する。我々は、非線形な関係も検出できる人間の認知手法に着想を得て、人間の認知と深く関係している最小全域木を用いる手法を構築し、様々な非線形な関係を抽出可能であることを実証した。

D2-2: 行列分解を用いたDNNモデルの圧縮効果検証と収束速度改善の検討

発表者:草野 光亮(筑波大学 大学院 システム情報工学研究科),大元 司(株式会社ドワンゴ)

概要:深層学習の発展に伴い、予測に用いるモデルが巨大になりつつある。巨大なモデルはアプリケーションへの組み込みや配布が困難であるため、巨大なモデルを小さなモデルに圧縮する技術が注目されている。我々は行列分解を用いたDNNモデルの圧縮効果を検証した。また、この検証において十分に学習されたモデルであってもモデルを圧縮することにより、精度の改善が確認できた。このことについて議論を行う。

D2-3: 近赤外分光画像法で計測された脳活動の時空間解析

発表者:星野貴行(産業総合技術研究所),兼村厚範(産業総合技術研究所/国際電気通信基礎技術研究所),小川剛史(国際電気通信基礎技術研究所)

概要:近赤外分光画像法(NIRS)は非侵襲かつウェアラブルに脳活動を計測できるが、アーチファクトの影響などのため、得られた信号の解釈には注意を要する。本発表では、単試行のNIRS信号をデータ適応的な基底とその係数に分離して表現し、時空間的に解析を行うことで、安定した解釈が可能であることを示す。また、推定された係数に基づくデコーディング精度は既存手法と同程度であったことを報告する。

D2-4: 脳波データへの深層学習の適用

発表者:野沢健人(産業総合技術研究所/筑波大学),星野貴行(産業総合技術研究所),福田拓也(産業総合技術研究所),兼村厚範(産業総合技術研究所)

概要:深層学習は,画像やテキストデータにおいて有効性が認められ広く用いられている一方で,脳活動データに対してはデータ数が少量であることやタスクに応じて特徴量が異なることなどの理由から,その有効性が明らかにはなっていない.本発表では,複数の脳波データセットに対して深層学習による分類を行い,実験結果からネットワーク構造やデータセットによる差異を調べることで,深層学習を脳波データに適用する際の課題を検討する.

D2-5: Large-Scale Price Optimization via Network Flow

発表者:伊藤伸志(NEC),藤巻遼平(NEC)

概要:This paper deals with price optimization, which is to find the best pricing strategy that maximizes revenue or profit, on the basis of demand forecasting models.

D2-6: カーネル法を用いたサポートベクトル回帰による海洋統合予測解析

発表者:岡西孝真(京都大学iPS細胞研究所),藤村弘行(琉球大学理学部),中野義勝(琉球大学熱帯生物圏研究センター),須田彰一郎(琉球大学理学部),曽根秀子(国立環境研究所環境リスク研究センター),藤渕航(京都大学iPS細胞研究所)

概要:サンゴ礁は生物多様性の高い生態系であるが、近年の環境変化によりその生息環境も大きく影響を受けている。そのため、正確な生息環境の情報に基づくリスク変動予測を行うことが重要となる。本稿では、機械学習ツールSHOGUNを用いて、サポートベクトル回帰を行った。これにより多様な環境因子間において、特にサンゴ群集へ影響を及ぼす特徴因子の推定が可能となり、環境リスク予測モデルの発展に寄与することが期待される。

D2-7: Model-based policy search using heteroscedastic Gaussian processes

発表者:Paavo Parmas, Kenji Doya ( Okinawa Institute of Science and Technology )

概要:We extended the PILCO policy search algorithm to use variational heteroscedastic Gaussian processes. The code outperforms PILCO in some problems with varying noise, but further experiments remain.

D2-9: 関連度依存型Gamma-Bernoulli分布の提案と無限共クラスタリングへの応用

発表者:大濱郁(パナソニック),喜田拓也(北海道大学),有村博紀(北海道大学)

概要:本研究では,関係データを理想的な共クラスタ構造と各個体の構造への寄与度に分解する関連度依存型共クラスタリングの問題を議論する.このようなモデルを実現するために,各個体の関連度に応じて観測確率が調節される関連度依存型ガンマ−ベルヌーイ分布を提案する.さらに,この関連度依存型ガンマ−ベルヌーイ分布を要素分布として組み込んだ関連度依存型無限共クラスタリングモデルと,その効率的な学習法を提案する.

D2-10: ガウシアンカーネルリッジ回帰法を用いた二元化合物のエネルギーバンドギャップ推定

発表者:岩城安浩(電気通信大学情報基盤センター), 矢崎俊志( 一橋大学情報基盤センター), 土屋英亮( 電気通信大学情報 基盤センター)

概要:物理実験や第一原理計算による新材料探索に際し,候補となる化合物のエネルギーバンドギャップを見積もる事は重要である。本研究では,予測子に原子軌道の電子配置を用いたガウシアンカーネルリッジ回帰法による二元化合物エネルギーバンドギャップ推定の手法を提案する。調整した回帰係数を伴う推定モデルを一つ抜き交差検証法で評価した結果,提案手法が未知の二元化合物エネルギーバンドギャップ推定に有効である事が示された。

D2-11: 動画データからの作業異常検出方式の開発

発表者:今沢慶((株)日立製作所)

概要:製造業では,グローバル生産拠点の拡大に伴い,作業異常による製造品質の低下が懸念れている.そこで,カメラ映像を用いて,作業異常を検出するシステム開発した.本研究では,作業者の動作を,関節の座標の時系列データとみなし,曲線としてモデル化した.このとき,曲線が正常である確率の推定が課題となる.そこで,作業ごとの曲線間の距離を用いて,正常である確率を推定する作業異常検出方式を開発した.

D2-12: 逐次射影法と部分空間反復法に基づく低ランク近似行列計算

発表者:水谷友彦(東京工業大学),田中未来(東京理科大学)

概要:大規模行列の低ランク近似計算のために逐次射影法と部分空間反復法を組合せた手法について考察する.この手法はNMFアルゴリズムの頑強性向上のための前処理として利用することを背景としている.我々は入力行列がある条件を満たすとき近似誤差が評価できることを示した.この条件はハイパースペクトラル画像や文章データから生じる行列においては比較的妥当であると思われる.実際に数値実験を実施し手法の有効性を検証した.

D2-13: Siamese損失関数を用いた識別的ニューラルネットワークによる埋め込み法

発表者:Naohiro Tawara(Waseda University), Karen Livescu( Toyota Technological Institute at Chicago (TTIC))

概要:単語識別ニューラルネットワークから得られる事後確率ベクトルをその音声の固定表現として利用する手法について検討を行う。このとき学習データにない単語に対しては同一単語でも事後確率ベクトルは一致しない可能性がある。そこで目的関数にランキング損失を加え同一単語間では類似し異なる単語間では異なる事後確率ベクトルとなる制約を陽に与えることで、より性能の高い単語表現が得られることを示した。

D2-14: 深層学習による画像特徴抽出の自己位置推定への応用

発表者:千葉龍一郎(東京工業大学),鈴木大慈(東京工業大学)

概要:深層学習が近年画像処理など多くの分野で圧倒的な性能を達成している。この手法の著しい特徴として、未加工のデータを入力として受け取り、訓練の過程で自動的にデータの特徴を学習・抽出する点が挙げられる。ゆえに深層学習は優れた特徴抽出法とみなすことができる。今回の発表では,画像による自己位置推定問題に対して、深層学習により得られる特徴量を用いて行った実験の結果を、既存の特徴量を用いた際の結果と比較する。

D2-15: VR/AR音響のための機械学習

発表者:金子昌賢(ヤマハ株式会社 研究開発統括部),末永司(ヤマハ株式会社 研究開発統括部),関根聡(ヤマハ株式会社 研究開発統括部)

概要:人は音の到来方向を識別するために、耳の複雑な立体形状に起因する「方向ごとの音色の違い」を無意識に活用している。耳の形状は十人十色であるため、ヘッドホンを用いたVR/AR空間の音の聴取では、ユーザ個人の耳の音響特性を忠実に再現することがリアリティに直結する。本発表では人の耳立体形状の統計モデルとCNNによる非線形回帰を用いて、ユーザ個人の耳写真からその立体形状を推定する試みについて報告する。

D2-16: 繰り返し推定による脳波時系列の欠測補完

発表者:鄭郁森(東京都立産業技術高等専門学校/産業技術総合研究所),兼村厚範(産業技術総合研究所),福永修一(東京都立産業技術高等専門学校)

概要:近年,ウェアラブルな脳波計測による工学的・理学的研究が進められつつある.そのような計測では一部チャネルの欠測などが起きやすいが,実用上は欠測が生じても継続的に脳波データを利用できることが望ましい.本研究では,時系列モデルによる欠測値の予測・補完により継続性を確保するため,どの時点でもどこかに欠測があるデータに対し繰り返し推定により補完を行う手法を提案し,その精度を報告する.

D2-17: クロスドメインマッチング相関分析を用いた単語と画像の同時埋め込み

発表者:福井一輝(大阪大学大学院基礎工学研究科),押切孝将(大阪大学大学院基礎工学研究科),下平英寿(大阪大学大学院基礎工学研究科)

概要:コーパスの情報から単語を実ベクトルで表現する単語埋め込みのタスクにおいて,近年,正準相関分析(CCA)を用いたEigenwordsという手法が提案された.本発表では,CCAの一般化であるクロスドメインマッチング相関分析を用いることでEigenwordsを拡張し,単語と画像を同時に共通のベクトル空間へ埋め込むことで,視覚的な情報を反映した単語のベクトル表現を得る手法を提案する.

D2-18: 経験ベイズ木

発表者:関野正志(ソネット・メディア・ネットワークス株式会社)

概要:ノードの出力を確率分布でモデル化し、周辺尤度を規準に分割していく決定木アルゴリズムを提案する。出力の分布としてベルヌーイ分布(二値分類)や正規分布(二乗誤差に基づく回帰)以外にも、ポアソン分布や指数分布なども用いることができ、ベイズ予測分布を導出できる。事前分布のパラメータを特徴量からの線形回帰やFactorization Machinesでモデル化することによる汎化性能の向上も検討している。

D2-19: 個人に紐づくメディア情報を用いた感情解析プラットフォームの開発

発表者:内橋堅志(京都大学),高濱隆輔(京都大学),寺田凜太郎(京都大学),宮戸岳(Preferred Networks)

概要:コミュニケーションによって生じる心理的作用の不可視性に着目し、これを解析するプラットフォームの開発を行っている。具体的には、動画から対話内容や表情を抽出し、人に紐付けて保存することによってデータを確保し、それらから心情変化の解析を行う。また、並行してこれらの機能を概観することができるサンプルアプリを開発しており、そのデモンストレーションを行う。

D2-20: SV回帰を用いた結晶初期配置からの粒界エネルギー予測

発表者:小田尋美, 清原慎, 溝口照康 ( 東京大学生産技術研究所 )

概要:材料中に含まれる粒界は特異な原子構造を有しており、材料の性質に大きく影響を与えることが知られている。粒界構造の決定のためには、剛体変位の異なる多数の候補初期配置について構造緩和計算を行い、最安定な構造を見つける必要がある。本研究ではSV回帰を用いて、各候補初期配置に対する粒界エネルギーの回帰モデルを構築した。正確な回帰モデル構築のための学習データ及び記述子の妥当性について議論する。

D2-22: 変形ブレグマン擬距離とその応用

発表者:竹之内高志(はこだて未来大学)

概要:本研究では, 変形ブレグマンダイバージェンスを用いて, 離散空間上の確率モデルのパラメーターに対して, 正規化項の計算をすることなく構成可能な推定量を提案する. 変形によって得られる推定量の統計的性質について議論する.

D2-23: 識別器におけるハイパパラメータ最適化手法の性能評価

発表者:尾崎嘉彦(産業技術総合研究所人工知能研究センター),矢野正基(産業技術総合研究所人工知能研究センター),大西正輝(産業技術総合研究所人工知能研究センター),久野誉人(筑波大学システム情報工学研究科)

概要:SVMやCNNなどの機械学習手法において,識別器が性能を発揮するためには,ハイパパラメータを適切に設定する必要がある.しかし,一般に最適なハイパパラメータの探索は,非凸な目的関数と広い探索空間を持つ最適化問題となり,実用的な計算時間で解くことが難しく,様々な手法が提案されている.本研究では,ベイズ最適化や直接探索法などを適用しハイパパラメータの最適化を行い,その性能評価を行った.

D2-24: b-GAN: 密度比推定の視点から見たGenerative Adversarial Nets

発表者:上原雅俊(東京大学)、佐藤一誠(東京大学)、鈴木雅大(東京大学)、中山浩太郎(東京大学)、松尾豊(東京大学)

概要:本研究ではGAN を密度比推定の視点から改良したアルゴリズム: b-GANを提案する。GANは高精度な画像生成を行うことができる一方、理論解析も不十分である。b-GANは密度比の推定と密度比を利用したf-divergenceの最小化という統一的なアルゴリズムで構成されている上、学習の安定性のために密度比推定の知見を取り込むこともできる。

D2-27: GRU学習時の勾配爆発の抑制方法の提案

発表者:金井 関利(NTTソフトウェアイノベーションセンタ), 藤原 靖宏( NTTソフトウェアイノベーションセンタ), 岩村 相哲( NTTソフトウェアイノベーションセンタ)

概要:RNN(recurrent neural network)の学習では,最適化する関数の勾配が急激に増大し,勾配に基づく最適化が失敗してしまうことが知られている.本発表では,近年 RNN の有力なモデルの一つであるとされるGRU(gated recurrent units)に関して状態の時間変化に着目した学習中の勾配の急増を抑える方法を提案する.

D2-28: Convergence guarantees for kernel-based quadrature rules in misspecified settings

発表者:金川元信, Bharath K Sriperumbudur, 福水健次 ( 統計数理研究所; Penn State University; 統計数理研究所 )

概要:カーネル法にもとづく求積法はモンテカルロ法よりも圧倒的に速い誤差の減少レートを達成できるが,これは被積分関数が仮定された再生核ヒルベルト空間に属している場合にのみ保証されている.本研究では被積分関数が仮定された再生核ヒルベルト空間に属していない場合,特に仮定されたよりも滑らかさが粗い場合にも,カーネル求積法の収束性が保証できることを証明する.

D2-29: 連続緩和に基づく変数選択規準 Relaxed Stochastic Complexity の提案

発表者:宮口航平(東京大学),松島慎(東京大学),山西健司(東京大学)

概要:変数選択では、変数の数に関して指数的に増えるモデルを比較するため、計算量的な困難を伴う。一方効率的なスパース最適化手法としてl1正則化があるが、適切な超パラメタを選択する必要がある。本研究では、MDL規準に基づく変数選択の緩和問題がl1正則化を繰り返し解く問題に帰着でき、また逆にl1正則化の超パラメタの選択規準が本緩和により得られる事を示す。さらに、グラフ構造選択問題における実験結果を紹介する。

D2-30: Weight Normalizationに基づく自然勾配法の実現

発表者:唐木田亮(東京大学大学院新領域創成科学研究科),岡田真人(東京大学大学院新領域創成科学研究科),甘利俊一(理研BSI)

概要:Weight Normalizationは深層モデルの結合ベクトルを動径と方向の座標成分に分けて最急降下を行う勾配法で, 学習の高速化が経験的に報告されている. 本発表では, Weight Normalizationが通常座標の勾配に対して, 実効的な学習係数の自動調整を行っていることを理論的に示す. さらに, より良い学習係数の調整を実現するため, 動径座標の自然勾配法を提案する.

D2-31: 特徴間のOR組み合わせに対する単調性とセーフプルーニングによるスパースモデルの学習

発表者:中川和也(名古屋工業大学),鈴村真矢(名古屋工業大学),烏山昌幸(名古屋工業大学),津田宏治(東京大学),竹内一郎(名古屋工業大学)

概要:購買データなどにおいて、商品Aもしくは商品Bを購入した人に何らかの傾向がみられるといった状況が考えられる。本研究ではそのような特徴間のOR組み合わせを考慮した線形モデルを取り扱う。我々の先行研究では、AND線形モデルに対する単調性を利用して最適化に不要な組み合わせを取り除く手法(セーフプルーニング)を提案した。今回はOR組み合わせにおける単調性を利用し、新たなセーフプルーニングルールを導出する。

D2-32: 複数の統計手法を用いた不純物の粒界偏析サイトと濃度の最適化

発表者:清原慎(東京大学生産技術研究所), 溝口照康( 東京大学生産技術研究所)

概要:材料中の不純物元素は材料物性に大きな影響を与えることが広く知られている。その物理的要因を明らかにするためには、原子レベルでのシミュレーションが有効であるが、不純物の偏析サイトや濃度を決定するためには膨大な計算量を必要とする。そこで本研究では、複数の統計手法を用いることで、偏析可能なサイトを全探索することなく安定なサイトと濃度を決定することを目指す。

D2-33: ガウス過程状態空間モデルに対する最適制御

発表者:高木友士(京都大学),藤本健治(京都大学)

概要:未知システムを同定する際、現実の制御対象の挙動を厳密に再現できるようなモデルの構築は不可能であり、得られたモデルは不確実性を含んでいる。そのような不確実性を許容しながら制御目的を達成するためには、同定の信頼性がより高い領域を通過する状態軌道である方が好ましい。そこで本研究は、同定したガウス過程状態空間モデルに対してモデルの信頼性や不確実性を考慮した状態軌道を生成するための最適制御を考える。

D2-34: ユーザの知識を深めるための不動産事情紹介記事のレコメンデーション

発表者:三條 知美((株)ネクスト), 櫻井 彰人( 慶應義塾大学)

概要:ユーザの閲覧履歴をもとにレコメンデーションすることが難しいwebサービスにおいて、webコンテンツのレコメンデーションを行う方法について提案を行う。
本研究ではHOME’Sサイトに存在する、ユーザの知識を深めるための不動産事情の紹介記事などを対象に、ユーザに必要と思われる情報をキーワードに従ってグルーピングし、その中でも重要な記事からユーザに提示するシステムの実装を行った。

D2-35: Convolutional Neural Networkにおけるadversarial examplesがモデルに与える予測精度への影響の実験的考察

発表者:南波涼太、佐久間淳(筑波大学、筑波大学 / JST CREST)

概要:精度良く訓練されたCNNであっても,人間には知覚できない入力の変化によって分類を間違えてしまう脆弱性が指摘されている.そこで我々はその脆弱性の克服のために,adversarial trainingを用いたCNNに対しadversarial examplesの生成方法に基づいてevasion attackを行い,その予測精度の向上から実験的にこの学習法が脆弱性を克服する効果があることを検証する.

D2-36: グラフ上の局所ブレグマンダイバージェンスによる統計的推論

発表者:金森敬文(名古屋大学),竹之内高志(はこだて未来大学)

概要:グラフ構造をもつ離散空間上の確率分布の推定を考える.統計モデルは計算困難な規格化定数を含むため,さまざまな近似法や局所情報を用いる推定法が提案されている.本発表では,局所化されたブレグマンダイバージェンスを用いる方法を提案する.グラフ構造と統計的性質の関連について,得られた結果を報告する.

D2-37: 不均衡データに基づく風力発電ランプ予測におけるオーバーサンプリング法の検討

発表者:高橋由佳(早稲田大学), 藤本悠( 早稲田大学), 林泰弘( 早稲田大学)

概要:風力発電の急峻な変動(ランプ)予測をする際に、過去のランプ発生事例の少なさが予測器の学習を困難にしている。本研究では発電量の予測結果を入力としてランプ予測をする枠組みの中で、入力となる発電量予測に含まれる誤差を考慮した疑似データを生成し、データの不均衡性の改善を目的としたオーバーサンプリングを行うことで、ランプ予測の精度向上を目指した。本発表では実際の発電量データを用いた予測評価結果を示す。

D2-38: 加速近接勾配法の改善と2値判別モデルの統一的解法への応用

発表者:伊藤直紀(東京大学),武田朗子(統計数理研究所),TOH Kim-Chuan(National University of Singapore)

概要:様々な2値判別モデルが、簡素な制約をもつノルム最小化問題とし
て統一的に定式化できることが知られている。本研究では、このノ
ルム最小化問題に対して加速近接勾配法を適用し、様々な高速化の
工夫を取り入れることで実用的に速い2値判別アルゴリズムを提案
する。 取り入れた工夫の中にはこれまで理論的な収束性が知られ
ていなかったものも含まれているが、提案手法に対しては大域的な収束レートを示すことができた。

D2-39: 深層学習を用いたペアワイズ分類—結合素性の利用と対称性について—

発表者:新 恭兵,小山 聡,栗原 正仁,古堂 和音 ( 北海道大学,北海道大学,北海道大学,NEC ソリューションイノベータ )

概要:与えられた二例がある関係を満たしているか否かを判定するペアワイズ分類は,エンティティ解決やリンク予測などにおいて重要な要素技術である.近年,深層学習が注目を浴びているが,ペアワイズ分類に適用した研究は少ない.我々は最初に,単純な方法では,対称性を満たした上での判定が困難であることを示す.そして,この問題点を解決し,さらに二例間の素性の組み合わせを扱うことが可能なモデルを提案する.

D2-40: 混合メンバシップ・マーク付き点過程に基づくタイミングを考慮した訪問地推薦

発表者:金秀明,岩田具治,藤原靖宏,上田修功 ( 日本電信電話株式会社 NTTコミュニケーション科学基礎研究所 )

概要:本研究で,我々は時宜を得た訪問地推薦を実現すべく,低次元表現を可能とする新たなマーク付き点過程を提案する.提案技術ではユーザの過去の訪問履歴だけでなく,最後に訪問してからの経過時間,即ち「間」に応じて,ユーザに推薦すべき訪問地が逐次的に更新される.本発表では,提案技術を人工および実データへ適用した結果を紹介する.

D2-41: MDL原理に基づく連続値共クラスタリングによる野球データ分析

発表者:伴 拓也(東京大学), 菅原 慎矢( 東京大学), 山西 健司( 東京大学)

概要:共クラスタリングは、関係性データセットを通じて異なる2つの集合をクラスタリングする手法である。本研究は、連続値関係データに対して最尤パラメータを推定する方法と、完全変数化を用いた正規化最尤符号長に基づくクラスタ数の決定手法を提案する。これを米メジャーリーグにおける、打者・投手間にある打率という関係に適用し、打者と投手の関係性に関する新たな知識発見を行う。

D2-42: グレンジャー因果性とグラフ理論に基づいた迷走神経刺激療法による脳波コネクティビティ変化解析

発表者:内田 剛志(京都大学),藤原 幸一(京都大学),井上 貴雄(山口大学),丸田 雄一(山口大学),加納 学(京都大学),鈴木 倫保(山口大学)

概要:迷走神経刺激療法(VNS)は難治性てんかんの緩和的治療法の一つであるが,その作用機序は未だ解明されていない.てんかん発作は大脳ニューロンの過剰な放電が伝搬することで発生するため,VNS施行前後での脳波コネクティビティ変化を解析することで,VNS作用機序解明につながると期待される.本研究では,VNS施行患者の脳波コネクティビティ変化を,グレンジャー因果性とグラフ理論に基づいて解析した結果を報告する.

D2-43: 大規模データに対する非線形カーネル関数を用いたSVMの最適化手法の提案

発表者:江田哲平(東京大学 大学院情報理工学系研究科 創造情報学専攻 修士二年), 松島慎( 東京大学 大学院情報理工学系研究科 数理情報学専攻 助教)

概要:大規模データを用いたSVMの最適化手法において、座標降下法を用いたものが優れた性能を示している。ただし非線形カーネル関数を用いた場合、データをメモリに保持できないことから、この手法を適用することが困難である。そこで、本研究では、部分問題を解き、最適化に影響を与えないデータを取り除くことで、この問題を解決する方法を提案する。また、Websiteのアクセス履歴データを用いて本手法の妥当性を検証した。

D2-44: Theoretical Analysis for Parameter Transfer Learning

発表者:熊谷亘(神奈川大学)

概要:本発表ではパラメータ転移アプローチを用いた転移学習に関して考察する.本研究では「局所安定性」および「パラメータ転移学習可能性」という概念を新たに導入し,それらの性質をみたすパラメータ転移学習アルゴリズムに対して汎化誤差の上界を導出する.さらにその応用として,自己教示学習におけるスパース符号化の理論的解析を行う.

D2-45: 質量変動を有するクアッドコプタのスケジュール推定型LPVシステム同定

発表者:江藤 力(NEC), 藤巻 遼平( NEC), 亀田 義男( NEC)

概要:産業界で広く使われている非線形ダイナミクスの
制御方法としてゲインスケジューリング制御があり、
それを理論保証するためのモデルとしてLPVモデルが
提案されている.本研究では既存のLPVシステム同定では
既知であることが求められているスケジューリング変数も含め、
入出力データからLPVモデルを学習する手法を提案し、
質量変動があるクアッドコプタの姿勢運動に対する適用例を示す.

D2-46: 車載センサーデータを用いた運転タスクラベリング

発表者:須貝将士(産総研人工知能研究センター(東工大)), 山崎啓介( 産総研人工知能研究センター), 本村陽一(産総研人工知能研究センター)

概要:近年、運転支援システムのための運転行動分析が注目されておりドライバモデルの構築が盛んに行われている。しかしながらモデル表現は用途ごとに多岐にわたり標準的な構築法が存在しない。本研究では多くのモデリングに共通して必要となる運転タスクの定式化と分類に着目する。運転データへのタスクラベリング手法を提案することで汎用的モデリングの確立を目指す。

D2-47: Recurrent infomaxがinput-driven recurrent neural networkの計算能力に及ぼす影響

発表者:岩出尚(京都大学情報学研究科),中嶋浩平(京都大学白眉センター&京都大学情報学研究科&JST PRESTO),田中琢真(滋賀大学データサイエンス教育研究センター),青柳富誌生(京都大学情報学研究科)

概要:Input-driven recurrent neural network (RNN)に対してrecurrent infomax (RI)と呼ばれる教師無し学習を適用し,reservoir computingのフレームワークを用いて計算能力の変化を調べた. 本発表では,RIによって得られるRNNの情報処理の性質および構造の特徴について述べる.

D2-48: 長期記憶のためのRecurrent Neural Network

発表者:山田真徳,山中友貴 ( NTTセキュアプラットフォーム研究所 )

概要:機械学習において時系列データの学習は重要なテーマである。深層学習を用いた代表的な時系列データを扱うモデルであるRNN(Recurrent Neural network)は勾配消失により長期の時系列データを扱うことができないという問題が有りその中でLSTMやGRUのような手法が生み出された。本ポスターではRNNの枠組みの中で長期記憶を保つ手法を議論する。

D2-49: gamreg: ロバストかつスパースな線形回帰

発表者:川島 孝行(総合研究大学院大学), 藤澤 洋徳( 統計数理研究所)

概要:ダイバージェンスに基づく回帰を考えたい,通常のKLダイバージェンスに基づく回帰は,外れ値に弱いことが知られている.そのため,スーパーロバストネスをもたらす,ガン・ダイバージェンスに基づく回帰を提案する.また,これにL1正則化,elasticnet正則化を加えて,スパースな枠組みも同時に達成する.

D2-50: 深層畳み込みニューラルネットワーク法によるX線コネクトーム画像のシングルフレーム超解像

発表者:水谷治央(ドワンゴ人工知能研究所),山川宏(ドワンゴ人工知能研究所)

概要:脳神経細胞のコネクトームを解読することは脳情報処理機構を解明する上で重要である。そのため、神経細胞が解像可能である観察装置を使用して、脳内の3次元構造を取得している。メゾスコピックな3次元脳画像を得るため、マウス大脳皮質におけるX線マイクロCT画像に対して深層学習によるシングルフレーム超解像シミュレーションを行った。9-1-5のCNN構成により、従来の拡大手法よりPSNRの上昇が認められた。

D2-51: 角転送行列繰り込み群法の格子状マルコフ確率場への適用

発表者:吉田智晴(豊橋技術科学大学),渡辺一帆(豊橋技術科学大学),梅村恭司(豊橋技術科学大学)

概要:確率的画像処理で用いられる格子状マルコフ確率場の周辺分布の計算は、組み合わせ爆発による計算量的困難がある。これに対処する手法として Loopy Belief Propagation があるが、収束条件や精度についての理論は未だ明らかではない。本研究では、物性研究で使われる角転送行列繰り込み群法を用いて、収束性の問題を
持たない高精度な手法の提案を目指す。ボルツマンマシンへの適用についても議論する。

D2-52: 二段階完全変数化NML符号長に基づくLDAのトピック数推定とトピック変化検知

発表者:呉天逸(東京大学),菅原慎矢(東京大学),山西健司(東京大学)

概要:LDAの分析に際しては、潜在変数であるトピックの数を分析者が事前に指定する必要がある。本研究は、二段階完全変数化NML符号長を用いた、トピック数に関するモデル選択手法を提案する。この手法は漸近近似に依らないため、データ数が少ないときも他の手法と比べて精度良く選択できる。また、逐次的正規化最尤分布に応用することもでき、数値実験から、時系列的な文章データからトピックの変化を検出できることを示した。

D2-53: Shapeletの統合に基づく時系列分類

発表者:桑原健吾(九州大学),末廣大貴(九州大学),畑埜晃平(九州大学),瀧本英二(九州大学)

概要:本研究では時系列データの分類問題を考える。先行研究として、Shapeletと呼ばれる短い時系列に基づく分類規則を用いた手法が知られている。本研究ではShapeletを弱仮説として捉え、ブースティングの枠組みに当てはめて時系列データの分類を試みる。

D2-54: なぜnormalized cutを用いないのか?〜Ncutの漸近的性質とSpectral Clusteringとの関係〜

発表者:寺田 吉壱(大阪大学 大学院基礎工学研究科), 山本 倫生( 京都大学 大学院医学研究科)

概要:本発表では,Ncutによるデータのclusteringが漸近的にあるRKHS上の重み付きk-means法の解に収束することを示す.これにより,Ncutの近似として用いられるspectral clusteringは,Ncutとは本質的に異なる方法であることが明確となる.そして,spectral clusteringと同様の計算量でNcutに近い解を得るための方法について議論する.

D2-55: 大規模プラントにて異常に関与する変数を特定する方法

発表者:里山雄亮(京都大学大学院情報学研究科), 藤原幸一( 京都大学大学院情報学研究科), 加納学( 京都大学大学院情報学研究科)

概要:製造業において,プラントを安全かつ効率的に操業するためには,異常を検出するとともに,その異常に関連する変数を正確に特定し,迅速に原因の究明と対策を行うことが不可欠である.これまでに様々な方法が提案されているが,それらの性能は必ずしも満足できるものではない.本研究では,現場に受け入れられやすい,単純ながらも高性能な手法を開発し,酢酸ビニルモノマー製造プラントシミュレータを用いて,その有効性を示す.

D2-56: 酸化物粒界構造の構造決定およびその構造機能相関に対する情報科学手法の応用

発表者:a problem happens
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[1] “○菊地駿,小田尋美,清原慎,松永克志,溝口照康”

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[1] “東大生研” “東大生研” “東大生研” “名大工” “東大生研”

概要:酸化物は様々な場面で実用に供されており,その物性は粒界構造に強く依存している.そのため酸化物の粒界構造は以前から盛んに研究されてきたが,その構造決定には膨大な数の初期構造を網羅的に計算する必要がある.一方で近年、データを活用する情報科学手法が材料工学へと応用されている。本研究では、酸化物粒界の構造決定と,粒界構造と物性との相関性を明らかにすることを目的として情報科学手法を活用したので発表する.

D2-57: 転移学習を利用したクロスドメインレコメンデーション

発表者:風間正弘(リクルートテクノロジーズ),Varga Istvan(リクルートテクノロジーズ)

概要:2つのドメイン間のレコメンドにおいて、簡潔で計算が速い手法を作成した。まず、2つのドメインそれぞれで、行列分解やword2vecなどの手法を使い、アイテムとユーザーをベクトル化する。次に、2つのドメインに共通するユーザーを利用して、2つのベクトル空間を繋ぐ変換行列を求める。その変換行列を利用して、片方にしか存在しないユーザーに対して、もう片方のアイテムをレコメンドする。

D2-58: AUC最適化畳込みニューラルネットワークによる血液細胞分類

発表者:唐澤 弘明(東京大学), 山田 万太郎( 東京大学), 佐藤一誠( 東京大学/JSTさきがけ), 太田 禎生( 東京大学/JSTさきがけ/ThinkCyte), 勝田 和一郎( ThinkCyte), 松井 啓隆( 熊本大学附属病院)

概要:血液がんとは、血液の分化の過程で異常細胞が生じる血液の病気である.白血病、悪性リンパ腫等が代表的な疾患として挙げられる。
予後不良の病気であり、早期に発見することは早期に治療を開始することへと繋がり、患者の生存率向上に大きく寄与する。
本研究では,血液細胞の形態の異常の有無を深層学習によって解析することで、白血病に代表される血液がんの診断支援を行う自動解析技術を開発することを目的とする。

D2-59: 共通乱数法を用いた再パラメータ化局所期待勾配による深層離散変数モデルの学習

発表者:得居誠也(東京大学・株式会社Preferred Networks),佐藤一誠(東京大学)

概要:離散変数を含む深層確率モデルの勾配推定では,各離散変数のすべての値に対する評価が本質的に必要となる.従来使われてきた尤度比法では,各反復で値を一つだけ評価し,異なる反復では別々にサンプリングを行っていた.本発表では,各値の評価において子孫変数のノイズ因子を分離・共通化することで分散を低減する手法を提案する.また,提案手法は理論的にも実験的にも既存手法より低分散な勾配推定を行うことを示す.

D2-60: 分布の逐次推定に基づくオンライン決定木学習

発表者:木村拓海(電気通信大学大学院情報システム学研究科),川野秀一(電気通信大学大学院情報理工学研究科)

概要:オンライン学習とは,次々と得られるデータを用いて逐次的にモデルを学習する機械学習手法である.近年盛んに研究がなされ,次々と新たな手法が提案されてきているオンライン学習だが,決定木に基づく方法はほとんど研究されていない.本報告では,2 値判別問題に着目し,決定木のオンライン学習手法を提案する.また,ベンチマークデータへの適用を通して,提案手法の有効性を検証する.

D2-61: 正則化項付き期待誤差最小化問題に対する加速AdaGradの提案

発表者:村田智也(東工大大学院), 鈴木大慈( 東工大大学院)

概要:近年の機械学習・ビッグデータ解析において、オンラインでのモデル学習はますます重要になりつつある。正則化項付き期待誤差最小化問題は、このようなオンラインでの学習を扱える、機械学習における基本的かつ重要な最適化問題の一つである。本発表では、疎なデータにおいて有用とされる既存手法であるAdaGradを加速化した手法を提案し、その収束レートを与える。そして、数値実験によって、既存手法と比較を行う。

D2-62: A Neyman-Pearson-like Test for Multi-terminal Hypothesis Testing

発表者:Shun Watanabe(Tokyo University of Agriculture and Technology)

概要:We propose a Neyman-Pearson-like test in the zero-rate multi-terminal hypothesis testing. The proposed test achieves the optimal exponential error trade-off shown by Han-Kobayashi.

D2-63: Wildcard許容特徴量のグラフ分類における効果の分析

発表者:岡崎文哉(北海道大学大学院情報科学研究科),瀧川一学(北海道大学大学院情報科学研究科)

概要:グラフ分類では,部分グラフの有無を特徴量として用いることが多い.実際のデータでの生起部分グラフにはラベルの一部が異なる類似部分グラフが多数存在する.この点に着目し,本研究ではラベルを区別しないwildcardラベルの導入および分析を行う.wildcardラベルを含む特徴量はデータから効率的に完全探索し,分類器の構築にはgBoost法を用いる.また,既存手法と比較し有効性を考察する.

D2-64: 変分ベイズ法に基づいた非線形状態空間モデルのパラメータ推定: モデルがパラメータについてアファインな場合

発表者:谷口 明宏(京都大学),藤本 健治(京都大学),西田 吉晴(神戸製鋼所)

概要:パラメータについてアファインな非線形状態空間モデルのパラメータを変分ベイズ法に基づいて推定する手法を提案する.従来法ではラプラス近似を多用することで変分事後分布を導出していたが,本手法ではラプラス近似を用いることなくより厳密に変分事後分布を導出することができる.とくに状態変数の変分事後分布の計算は,ある拡大系のスムージング問題に帰着させることで,既存の様々なスムーザを用いて実行することができる.

D2-65: 統計化データからの学習可能性

発表者:熊谷雄介(株式会社博報堂),坂井良樹(株式会社博報堂),道本龍(株式会社博報堂)

概要:匿名化手法の一つであるマイクロアグリゲーションは,クラスタリング技術によって個票データを統計化データに変換し,個人の情報を保護しながら情報開示を可能にする手法である.生成された統計化データは,匿名化されているのみならず,オリジナルデータの統計的特徴を保持したまま情報圧縮されているという性質を持つ.本発表では統計化データからの学習可能性と効率性を検証した結果を報告する.

D2-66: 位相的データ解析のためのカーネル法

発表者:草野元紀(東北大学), 福水健次( 統計数理研究所), 平岡裕章( 東北大学)

概要:データの形に注目する位相的データ解析は理論・応用の両側面から研究が盛んである。位相的データ解析ではデータの幾何構造をパーシステントホモロジーという特徴量によって記述する。本研究は、データの形を機械学習の枠組みで取り扱うために、パーシステントホモロジーのカーネル法を構築した。材料科学への応用では、シリカガラスの複雑な幾何構造と相転移との関係性を変化点検出と主成分分析により特徴付けた。