第二日目:イベント概要


招待講演:深層学習は世界をどのように変えられるのか
PFN/PFI 岡野原大輔


本講演では、自動車、ロボット、バイオヘルスケア、コミュニケーションの四つの分野で深層学習、がどのように利用されているかについて紹介する。自動車ではADAS(先進運転支援システム)や自動運転などにおいて高度な空間認識能力が必要とされ、場所や天候など変化に富む屋外環境で人と同程度かそれ以上の認識精度が実現されつつある。ロボット分野においてはこれまで扱うのが難しかった一般物体のピッキングや協調作業などより高度なタスクが実現されつつある。バイオヘルスケアではDNAやRNAなどの遺伝子情報を元に生体内の状況を把握し、生体モデルを解明し新しい治療法や診断手法の開発につながっている。コミュニケーションにおいては人と機械が意図を伝えあい、協調することが可能になりつつある。
これらのどれもが私達の生活に大きなインパクトを与えうるが、まだ実現したい目標と現状との間にはギャップが存在する。今の技術では何ができていないのか、今後どのような研究的な課題がみられるかについて解説する。

 

企画セッション2: 実社会データへの機械学習の応用


  • 機械学習ビジネス化の進展と今後の方向
    日本電気株式会社データサイエンス研究所 森永 聡

    機械学習技術を活用して様々な実問題を解決するビジネスが盛んに行われている。本トークでは当社での独自技術に基づく例として、社会的に重要な用途において多く実用いただいている「大規模予測システム」、その予測結果に基づいて”だったらどうするべきか”を指南する「予測型意思決定最適化技術」の実証例、および、今後さらに人工知能が世に普及する際に必要となる「AI間挙動調整技術」に関する動向を紹介する。

 

  • 時系列ビッグデータ解析の新たな展開
    熊本大学 櫻井保志

    近年のIoTデバイスの急速な普及に伴い、それらのデバイスから多様かつ大量のデータが生成され続けている。また、FacebookやTwitterなどの巨大なソーシャルネットワーク上を大量の情報が高速に流通するようになっている。増え続ける大規模なデータ、すなわち時系列ビッグデータを高速に解析する時系列データマイニング技術は非常に重要になっている。本講演では、講演者が取り組んでいる時系列ビッグデータ解析技術、特に非線形テンソル解析に基づく予測技術の研究を紹介する。さらに時系列ビッグデータ解析の応用例として、具体的な事例を いくつか紹介する。

 

  • IT企業における機械学習
    京都大学 山田 誠

    Yahoo, グーグル, Facebook, Amazon等のIT企業においては, 数千万~数億ユーザーに対して記事推薦, E-mailの スパム検出, 商品の推薦, 友達推薦 等のサービスを提供していることから, 超大規模データ(ビッグデータ)を自動的にかつ効率よく解析する必要がある. そのため, IT企業においては, 2000年代初頭から盛んに大規模分散処理に基づく機械学習手法が利用されてきた.  近年では, IT企業以外の民間企業や大学においても, スマートフォン等のセンサーを搭載したモバイル端末の普及や計測機器の高度化により,  膨大な量のデータが利用可能 となり, 大規模分散処理や大規模データを効率よく扱う機械学習手法が用いられ始めている. そのため,  予測精度が高いだけではなくデータに対してスケールする機械学習手法の開発が, より良いサービスを提供することにおいて, 非常に重要となっている. 本講演では, 機械学習技術がIT企業においてどのように利用されているかを解説し, 次いで, Yahoo Researchおよび京都大学で研究開発を進めている研究について紹介する.